郷土史歌ごよみ−天草の乱−

激戦地となった町山口川の祇園橋

 

@虐(しいた)げられし島人が

 最後の夢ととりすがる

 神の救いも阻(はば)まれて

 十字架(クルス)は泥と血にまみれ

 天草島の日は晦(くら)

A前髪わかき美少年

 天草四郎時貞(ときさだ)

 盟主と仰ぐ伴天連(ばてれん)

 生死を超えて信仰の

 一途(いちづ)に燃えしたましいよ

B一揆(いっき)のあらし吹きすぎて

 倒れ伏したる雑草(あらくさ)

 根はたくましく生きのびて

 時待ち得たる村々に

 今宵(こよい)もミサの鐘が鳴る

 

 

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