第六師団行進曲

作詞:山口白陽

作曲:陸軍戸山学校軍楽隊

 

 

.銀杏城(ぎんなんじょう)の明暮(あけくれ)

 燃ゆる思いは大阿蘇(おおあそ)

 立つる功(いさお)は高千穂(たかちほ)

 大和心の桜島(さくらじま)

 健児すぐり武を習(なら)

 ああ精鋭の六師団

.神風連(しんぷうれん)の小夜時雨(さよしぐれ)

 染む塁砦(とりで)の蔦紅葉(つたもみじ)

 西南役の青嵐(あおあらし)

 散らす望楼(ものみ)の楠若葉(くすわかば)

 試練に堪えて意気武昂(あが)

 ああ精鋭の六師団

.五条の勅諭(みこと)(かしこ)みて

 股肱(ここう)の誠捧げつつ

 日清・日露の戦に

 同胞保護の済南に

 強剛無比の名を残す

 ああ精鋭の六師団

.父祖の血に染む満蒙(まんもう)

 王道楽土(おうどうらくど)築くこそ

 皇国(みくに)の護(まもり)東洋の

 永久(とわ)の平和の基(もとい)

 又も仁義の征矢(そや)を取る

 ああ精鋭の六師団

.吹雪は狂い胡砂(こさ)は飛ぶ

 北満・熱河・長城と

 疾風(はやて)のごとき追撃に

 妖雲(よううん)遠く払われて

 凱歌(がいか)に躍る日章旗(にっしょうき)

 ああ精鋭の六師団

.思え輝くこの歴史

 更に光を添えんもの

 我等を措()きて誰かある

 鎮西(ちんぜい)の雄(ゆう)(ここ)にあり

 偕(とも)に護国の楯(たて)たらん

 ああ精鋭の六師団

 

山口白陽の詩に戻る

山口白陽文学館受付に戻る