古城風物誌−古城−

@銀杏城(ぎんなんじょう)を火の国の

 武の象徴と仰ぐもの

 などこの城に芽生えたる

 文化の花を謳(うた)わざる

A見よ宝暦の時習館

 明治の洋、医両学府

 次いで五高に新しき

 時代の虹(にじ)はかかりしを

B落葉ふみしく古城に

 瞼(まぶた)閉づれば浮かびくる

 青春の日の学徒らが

 夢ゆたかなる眉のいろ

 

※古城は熊本城の大手に当たる清正築城以前からの城郭一帯をいう。

※藩学時習館は城西二の丸、宝暦時代細川重賢が創立した藩黌(はんこう)

※熊本洋学校はジェーンス、古城医学校はマンスフェルトを招いて明治初年の新文明を導入した、共に今の第一高校附近にあった。

※第五高等学校(五高)は明治二十年やはりこの地域に創立され、後現熊大の敷地に移転した。

 

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