郷土史歌ごよみ−ガラシヤ姫−

ガラシャ姫

 

@名家の姫とかしずかれ

 美貌と才に恵まれて

 足()らえる幸(さち)も幾年か

 逆臣の子と譏(そし)られて

 苦渋の日々を重ねつつ

A弄(もてあそ)ばるる魂を

 ゼウスの御手(みて)に委(ゆだ)ねしも

 戦国の世のいけにえと

 もみ砕かれて散り急ぐ

 花のいのちの儚(はか)なさよ

B来世(らいせ)の生(いき)をたよりにて

 運命(さだめ)の前に抗(あらが)わぬ

 悲劇の女ガラシヤの

 一生(ひとよ)をしのぶ墓の前

 心は今も傷(いた)むかな

 

 

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