郷土史歌ごよみ−檜垣女−

-檜垣女-の面

 

 

@平安の代()の白拍子(しらびょうし)

 才色双(なら)び謳(うた)われし

 火の国乙女(おとめ)檜垣媛(ひがきひめ)

 舞衣(まいぎぬ)匂う世ざかりに

 見しは現(うつつ)かまぼろしか

A契(ちぎ)りし恋も年経()れば

 その黒髪と色あせて

 岩戸(いわと)(もう)での往()き返り

 鼓(つづみ)滝をなつかしと

 憩(やす)ろう腰も弓張り

B春の夜寒き蓮台寺(れんだいじ)

 想いは今も胸を噛む

 雅(みや)びのよたわれ男()

 庫裡(くり)のともし灯()消えがてに

 くぐむ嫗(おうな)のうしろ影

 

 

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