火の国小唄

作詞:山口白陽

作曲:中山晋平

 

.沖の不知火(しらぬひ)流れて消えてョ

 月の有明(ありあけ)()が白む

 ここは火の国火のよに燃える

 男女の住むところ

 ホンにヨカ ヨカ ヨカバイのバイ

.桜吹雪にもまれてのぼるョ

 森の都の城の上

 五十四万石(ごじゅうよまんごく)穂にさく国は

 虹(にじ)も田に敷く畠(はた)に敷く

 ホンにヨカ ヨカ ヨカバイのバイ

.並ぶオッフィスのあの窓 窓がョ

 閉まりゃカッフェに灯()がともる

 ジャズで踊ろとシネマで泣こと

 月は微笑(ほほえ)む新市街(しんしがい)

 ホンにヨカ ヨカ ヨカバイのバイ

.山のエー・ワン大阿蘇(グレートあそ)はョ

 草の千里に火の柱

 バスのサイレン怖()ぢるな黒馬(あお)

 ふめば龍胆(りんどう)の花が散る

 ホンにヨカ ヨカ ヨカバイのバイ

.球磨(くま)の川波や男の意気地(いきじ)

 岩に砕けよと厭(いと)やせぬ

 ままよ船頭衆(せんどしゅう)に預けた命

 空に嘯(うそぶ)け槍倒(やりたう)

 ホンにヨカ ヨカ ヨカバイのバイ

 

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