郷土人物百年詩−松村辰喜−

@混濁(こんだく)の世を嘆いては

 巷(ちまた)に出でて衆(しゅう)を説き

 異邦の民を憂えては

 同志とともに剣をとる

A姑息(こそく)の風(ふう)に慊(あき)たらず

 大熊本を提唱し

 市民の胸に新しき

 未来の夢を描かしむ

B郷土の誇る名火山

 “世界の阿蘇”を打樹(うちた)てし

 炎の男松村を

 人よ忘るること勿(なか)れ

 

※明治元年現阿蘇町内牧(*管理人注:現阿蘇市内牧)に生まる。15才にして教壇に立ち、21才にして坂梨小学校長となる。この間すでにしばしば街頭に立って政治を論じ人道を説く。朝鮮在住中明治28年の閔妃(みんぴ)事件に安達謙蔵らと活躍、後支那革命にも渡支奔走。

※大正十年大熊本期成会を設立、町村合併、電車、水道、23連隊移転等の口火を切る。

※県の公園主事となり、国立公園期成会を設けて東奔西走(とうほんせいそう)、遂に大阿蘇国立公園の指定にもちこむ。昭和12年歿、年70。

 

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