民謡郷土めぐり−まつり三題−

阿蘇神社御田祭

 

 

[阿蘇神社 御田まつり]

御田(おんだ)まつりのお神輿(みこし)くぐり

(うた)もよろけるほうへんや

うなり女が畔道(あぜみち)ゆけば

(さぎ)がとびますちりぢりに

 

[藤崎八幡宮(ふじさきはちまんぐう) 放生会(ほうじょうえ)]

随兵(ずいびょう)まつりは袷(あわせ)も着ごろ

勢子(せこ)は法被(はっぴ)の勇み肌

したしたに追い立てられて

空にいななく飾り馬

 

[宮地妙見社 放生会(ほうじょうえ)]

みやれ宮地(みやじ)の妙見(みょうけん)様は

九州切っての秋まつり

人はのぼせる神馬(しんめ)は逸(はや)

山車(だし)は右から左から

 

著者注

阿蘇神社 七月廿八日

※御田はお田植祭りの略、ご神幸(しんこう)のみこしをくぐると幸運を得られるという

※うなりは神幸に従う女

藤崎八幡宮 九月十五日

※随兵は清正(管理人注:加藤清正)時代からの武者行列で甲虫(つうむし:従兵)には学生が当たる

※「ぼした」は「滅ぼした」の略だといわれ朝鮮役凱旋(がいせん)の名残だと伝える(管理人注:白陽のこの説が在日Korean団体の抗議を呼び、藤崎宮秋の例大祭の俗称「した祭」や掛け声の「ぼした」は用いられなくなった。「ぼした」は「ぼぼした」(「性交した」の熊本方言の略という説もあった。)

宮地妙見社 十一月十八日

※箱崎八幡(はこざきはちまん)、諏訪神社(すわじんじゃ)の祭りと並んで九州の三大祭といわれる

※山車の豪華なことで有名

 

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