郷土史歌ごよみ−不知火−

不知火

 

 

@礎(いしずえ)成りし大和朝

 皇位重ねて十二代

 景行帝(けいこうてい)は国々を

 みそなわしつつ波まくら

 筑紫(つくし)の果(はて)を行きたもう

 

A折しも海は八朔(はっさく)

 無月(むげつ)の闇に惑うとき

 はるかに燃ゆる()すじの

 灯(ともし)を追いて恙(つつが)なく

 船は泊(とまり)に着きましぬ

B帝(みかど)の問(とい)に翁(おきな9らの

 知らずというそのままに

 名づけたまいし不知火(しらぬひ)

 今も妖(あや)しく秋の夜の

 紫黒(しこく)の海を染むるとよ

 

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