新民謡風土記−玉名−

@叶(かな)う願いと叶わぬ願い

 叶う願いは立願寺(りゅうがんじ)

 まぶたつぶればいでゆの中は

 いつも春かぜ花ざかり

Aのびる干拓昔も今も

 海にとどろく新地ぶし

 千丁(せんちょう)稲田の上吹く風と

 村の栄えはどこまでも

Bしらむかがりか桜の花か

 吉次峠(きちじとうげ)の朝あらし

 ペニス抱えて木葉(このは)の猿は

 浮世茶にしたとぼけ面

 

※西南役当時の参軍山県有朋(やまがたありとも)の歌に「木留山しらむ砦のすてかがり煙ると見しは桜なりけり」とある。

 

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