古城風物誌−天守閣−

@梅雨ばれの陽(ひ)の輝きに

 群樹の緑 燃ゆるとき

 五層の甍(いらか) たくましく

 雲を貫く 天守閣

A清正公のふりかざす

 采配(さいはい)の下(もと) 匠(たくみ)らが

 技を競える 慶長の

 昔やいかに 天守閣

B西南役のいけにえに

 炎と化せし 幻か

 皐月(さつき)の闇を灯(ひ)に染めて

 夜空に匂う 天守閣

 

※熊本城は慶長年間の初期(約350年前)数年を費やして築かれた清正公の遺業、熊本城の眼目である。

※天守閣は西南役の直前明治10年2月19日失火によって焼失、昭和35年松崎吉次郎氏の浄財を基に再建された。

 

山口白陽の詩に戻る

山口白陽文学館受付に戻る