思い出十二か月−わが山の彼方 五月−

阿蘇の風景

 

  わが山の彼方

 

夕やけ雲が燃えつきて

真珠の色に変わるころ

ひとり草笛ふきながら

まだ見ぬ国にあこがれて

あかずながめた空の果(はて)

 

そこに広がる青野には

黄色い花がさきみちて

羊のむれが草を食()

鈍くたたえた湖は

ひっそり雲を映してた

 

そうした夢がつかの間の

虹と知ったのちのこと

幼な心にうたがわず

いだきつづけたしあわせを

また思い出す夕ひばり

 

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