新民謡風土記−八代−

 

@伝え悲しい遥拝峡(ようはいきょう)は

 球磨(くま)の流れもよどみがち

 城の森から御陵(ごりょう)の森へ

 わたる鴉(からす)も啼(な)いて飛ぶ

A見やれ宮地(みやじ)の妙見(みょうけん)さまは

 肥後で名うての秋まつり

 勢子(せこ)が勇めば追われる馬も

 おんなこどもも皆勇む

B船の出入りにとどろく汽笛

 工場工場に立つ煙

 のびる八代抱いた夢は

 南日本のパイオニア

 

※征西将軍可懐良親王(かねながしんのう)が遠く父帝(後醍醐天皇)を偲(しの)んで遥拝されたところと伝える。

※城は八代城で同時に八代宮のあるところ、御陵は征西将軍宮を葬る。

※妙見様の祭りは九州三大祭りの一といわれる。

 

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